最高のステーキの焼き方


ステーキは、最初に派手にジュージューいわせるよう、強火で焼いて、肉の外側を固めて、肉汁を中に閉じ込めるのが正しい焼き方だと信じている方、こんな方が結構多いようです。
しかしちょっと考えてみて下さい。私たち人間がいただく食材は、全て自然の恵みです。肉も野菜も魚も米も、全部自然の恵みです。
それを美味しく調理していただくのですから、どのように調理したら美味しくなるかは、本当は食材に聞かなければ分かりません。それを無視して、人間が勝手な思い込みで肉を、フライパンから煙を勢いよく出しながら焼くなんて、これは無茶というものです。
昔から、多くの人が耳を澄まし、目を大きく開け、身体全体の皮膚を敏感にし、身体全体の毛穴まで全て開け、謙虚になって調理の方法を食材から学んできたのです。
肉を何度で、どのくらいの熱量で焼いたら美味しくなるのか、これは肉が決めることであって、人間が決めることではありません。
プロの料理人でも、一流になればなるほど食材に向き合う姿勢は謙虚です。

どんな肉を焼く時でも、冷凍肉は完全に解凍する、そして必ずしっかりと常温に戻す。これが基本です。

常温に戻さないで、冷たいままの肉をいきなりフライパンで焼くと、肉の表面がちょうどよく焼けた時は、肉の芯は生ですし、無理して焼いて芯に十分熱が入った頃には、表面は黒焦げ状態です。しかも、この焼き方は、焦げ付きの原因にもなります。

次に肉を焼く道具です。

分厚い鉄のフライパンがベストです。

肉の芯まで熱が入って、焼き色もきれいにつくからです。フライパンの大きさは、肉のサイズに合う大きさを選ぶこと、これも上手に焼くポイントです。フライパンの平らな底が肉よりわずかでも大きければ、肉を平らに置けます。こうすると、熱ムラがなく、均一に焼くことができます。

Steak pans
  1. mainte

    解凍が進み、肉の芯まで常温になったら、焼く直前に塩と粗挽きの黒コショウを、肉の両面にたっぷり振りかけます。この時使う塩は、岩塩がベストです。ステーキがより美味しくなります。

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    並行してフライパンを弱火でゆっくり温めはじめて下さい。
    そして、ステーキ用の肉についてくる脂とバターを、たっぷりフライパンに入れます。火力は必ず弱火です。
    バターは絶対に焦がしてはいけません。

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    バターが全部溶けたら、肉をフライパンに入れ、弱火のまま焼き始めます。絶対に焦って火を強くしないで下さい。全てが台無しになってしまいますから。言葉を変えて表現するなら、焼くという感覚ではなく、大切に、優しく、温めてやるといった感覚です。

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    フライパンの中にたまっている脂を肉にかけながらゆっくりと温めてやって下さい。
    肉の厚さが2センチぐらいの場合、両面とも4~5分ほどの時間をかけて十分温めて下さい。

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    これが終了したら、一度、肉をフライパンからステンレスバットなどに重ねた網の上に置き、休ませます。
    この休憩の間に、肉の余熱のおかげで肉の芯まで熱がしっかりと均一に入っていきます。
    この時間が「美味しいステーキになる時間」なのです。

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    金串を刺してみて、金串が熱ければ芯に熱が入ったと分かります。

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    火力を弱火から中火へと強くし、フライパンに残っている脂が温まったら、肉をフライパンに戻し、脂を回しかけながら、もう一度肉を温めます。

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    そして肉の表面にお好みの焼き色がついたら、最高のステーキの焼き上がりです。

厚みのある食材の芯まで火を通す時は、必ず低めの温度で加熱する、これがステーキを焼く大切な基本です。
美味しいステーキを、たっぷりと楽しんで下さい。